現在開発中の主要プロダクト
抗生物質
WAP-8294A2
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症治療薬として見出された新規抗生物質。MRSAは臨床上最も重要な病原性細菌の一種であり、薬剤に対する抵抗性(薬剤耐性)を持つことから抗菌治療が難しく、医療施設内における感染の蔓延(院内感染)が問題となっている。近年では更に高度耐性を示すVRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)の出現や病院外由来のMRSA感染症患者の発生(市中感染型MRSAの出現)が報告される等、新たな問題も生じており、新しい治療薬の登場が世界的に待ち望まれる状況にある。WAP-8294A2は、1994年に土壌細菌から分離されたデプシペプチド系抗生物質であり、MRSAに対し微量で短時間のうちに殺菌的な抗菌作用を示す。現在PIを米国において実施中。開発対象になる適応症はMRSAを含む黄色ブドウ球菌起因性皮膚・皮膚組織感染症、敗血症、心内膜炎等。
ARB-CF0223
嚢胞性線維症に伴う難治性気道緑膿菌感染症に対する吸入用治療薬。嚢胞性線維症(Cystic Fibrosis : CF) は遺伝性疾患で、欧米白人種では出生児3300人に1人と高率に発症する疾患であるが、東洋人では稀で日本の総患者数は約30人程度とされる。発症原因となる遺伝子変異はCFTR遺伝子に起こり、全身の外分泌腺(肺、膵臓、消化管、汗腺等)の機能が損なわれる。症状は難治性の下気道感染症や呼吸不全を伴う呼吸器病変(末期)、膵外分泌機能不全、胎便イレウス他消化管病変等があるが、特に気道緑膿菌感染症の悪化は肺機能の低下を招き、本疾患の予後に大きな影響を与える。現在のところ根本的治療法はなく症状毎に対症療法が実施されている。ARB-CF0223は、薬物送達システム(DDS)の技術を利用した抗生物質の吸入用製剤(液剤)であり、リン脂質からなる特殊な微小カプセル(Fluidosome)にトブラマイシン(アミノグリコシド系抗生物質)が含まれている。本剤は通常の吸入器使用による吸入投与が可能であり、気道から肺の感染部位に必要な量の抗生物質を効率良く送り込むことができ、一般的な抗菌治療と比較した場合、有効性・安全性の両面において格段に優れている。現在、欧州にてPIを終了。EMEAから稀少疾病用医薬品の指定を受ける。(2006年4月)
